毛穴がボツボツして嫌になっちゃう
なぜでしょう? それは、明治の女子教育の中心に礼法があったから。明治初期に小笠原流礼法が師範学校に取り入れられ、そこで学んだ者が教師となって、全国の女学校や小学校へと礼法をひろめていったので、「化粧は女の嗜み」という考え方は日本人の常識となっていたのです。もちろんその解釈には幅があって、「清潔に注意を払うべし」から「紅粉は女子の嗜み」までさまざまでしたが、概して女のコが身ぎれいにすることは教育上望ましいこととされていました。そして、当の女学生たちにとっても、礼法を学ぶことは淑女になるための大事なステツプだつたのです。
毛穴のつまりはやめたけれどもニキビつぶしは続けていて、西洋の化粧法から適当にいいとこどりをしながらゆつくりと変わっていつたのが、文明開化期の化粧でした。それが大正時代になると、変化のスピードは一気に加速。上流階級だけでなく、大衆レベルにまで西洋化粧がどんどん浸透していきます。その原因として、生活水準が向上してモノが行き渡るようになったことの他に、情報が行き渡るようになったことも挙げられるでしょう。マスコミによって、新しい化粧品や美容法が広められるようになったのです。華族様御用達の「婦人画報」ほど浮世離れしておらず、「婦人公論」ほどには肩肘張っていない、リツチでありながら地に足のついたアーバンライフを紹介していたのが「主婦之友」と「婦人倶楽部」。そしてこの2誌では、美容もまた重要なトビックスとして扱われており、モダン時代の女性たちに新しい化粧法を伝えるものとして、大きな役割を果たしていました。「主婦之友」と「婦人倶楽部」の読みそこで、大正時代の毛穴の黒ずみはこの2誌を中心に見ていくことにしたいと思いますが、その前に、ここで雑誌の読み方について一言レクチャーしておきましょう。ニキビつぶしの記事というのは、だいたい「先発」「中継ぎ」「おさえ」の3つでできていると思ってください。「先発」とは主に巻頭特集で、時代のテーマを大きく掲げたもの。例えば現代のファッション誌なら「今、新しいのは小悪魔な女」というような、美の方向性を示すのが「先発」です。次に、「中継ぎ」というのは、そのテーマを具体化するためのハウツーページ。
クレンジングってどうしてる?
要するに、「小悪魔な女が選ぶ靴とバッグ」とか「小悪魔な女はアイラインで勝負する」というように、理想の女になるための方法論がこのページです。最後の「おさえ」とは、そういう流行に読者がうまくのれるように手助けする読者救済記事のこと。これにあたるのは「体型別コーディネート」とか、「毛穴の黒ずみの悩み相談室」というような読者の現実に対応した記事で、おしゃれ感には乏しいのですが、その時代の読者の真の姿を映したページです。つまり、「先発」=時代の価値観「中継ぎ」=流行の紹介「おさえ」=現実の読者の姿ということです。大正時代の「主婦之友」も「婦人倶楽部」も、しっかりとこの構成で作られています。ちなみに、「主婦」「婦人」という言葉からは、今日では中年の奥さんがイメージされますが、当時の婦人誌は年齢別にターゲツトを絞っていたわけではなく、これら2誌は、主婦に限らず未婚女性にも広く読まれていた雑誌です。西洋人みたいな体格が毛穴を小さく!まず、大正時代の美の価値観とはどのようなものだったでしょう。「先発」の巻頭特集を見てみると、「主婦之友」ではそのものズバリの「毛穴を小さく」をテーマにたびたび大きな特集を組んでいます。次に挙げるのは大正7年1月号の「毛穴を小さくとなる研究」で、各界の著名人が毛穴を小さくについて語るという趣向の記事から。◎西洋人の方が日本人よりも美しい吾々の見た毛穴を小さくは、何処までも体格の発育の円満なものをいふのであります。吾々の毛穴を小さくといふのは健全に発育した体格を持って居る人をいふのです。
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